「石原さんは石原さんのままでいいんじゃないかな」
飾らないそのままの石原さんが、一番好きだから。
「あのさ、石原さん……俺」
今しかない。そう思って体ごと向き直る。
深呼吸を一つ。人生初の告白なんだから、緊張して当然だろ。
「俺さ……」
「え?」
「い「そこのふたり~戻るぞ~~」
最悪のタイミングで声が飛んできた。心の中で盛大に舌打ちする。
「石原さん、行くよ」
何事もなかったかのように立ち上がって、手を引く。
「わっ!……今井くん、最近スキンシップが激しいね!!!もしかして……」
「そうかもよ?」
石原さんの言いたいことはわかる。私のこと好きになった?でしょ。
本当は、そうだって、何度も言おうとしたよ。
「え……期待してもいいんですか!?こんな私だけど期待してもいいの?」
「ご勝手に」
興奮しきった石原さんを置いて、俺は少しだけ前を歩く。
言えなかった言葉が胸に残ったまま、それでも今はこの距離が少し心地いいと思ってしまう自分がいた。



