「離れて」
ぶっきらぼうにそう言って、膝から降ろす。
「なんか、ごめん」
「え、なんで、いいよ!それに、嬉しかったし」
そう言って頬を赤らめる石原さん。
旅行初日からとんでもないイベント発生してるし、運がいいのか悪いのか分からない。
「行こっか」
車を降りると、目の前に広がるのはどこまでも続く青い海。
太陽の光を反射してキラキラしていて、さっきまでのドタバタが少しだけ遠く感じる。
横にはやたらと大きいホテルがそびえ立っていて、非日常感をさらに強めていた。
「あ、二人ともおはよー!」
渉が大きく手を振る。どうやら他のメンツはもう海で遊んでいたらしい。さっきの騒ぎ声はこれか。
俺はその輪に入る気なんて最初からないので、そのまま浜辺に座る。


