「のっち、いる?」
「ほ、ほしい!」
名前を呼ばれた瞬間、のっちの顔が一気に赤くなる。そのまま二人は楽しそうに話し始めて――結果、取り残される私と今井くん。
……やばい。なんか、すごくドキドキしてる。いつもなら普通に話せるのに、今日はなんでこんなに意識しちゃうの?私服だから?距離が近いから?
それとも――「恋してる」が頭から離れないから?理由は分からない。でも、とにかくこの沈黙が気まずすぎる!!何か話さなきゃ。
「今井くん」
「……。」
「楽しみですね」
「…………そうだね」
ちらりともこっちを見ずに、外を見たまま返事をする今井くん。目を合わせてくれないとか、そんなことはどうでもいい。ただ、同じ時間を共有して、同じ場所に向かってる。それだけで、胸がいっぱいになる。
私の目に映る今井くんは、いつだってキラキラしてる王子様みたいでかっこいい。
でも今日は――その輝きが、いつもより少しだけ強い気がした。隣にいるだけで、心臓が壊れそうなくらい鳴ってるのに。それでも、この距離が嬉しくてたまらない自分がいる。


