そう思っている間に、今井くんは自然な流れで車に乗り込んできて――私の隣に座った。
……ちょっと待って。それどころじゃない。
私は思わず鼻を手で押さえて、顔を上に向けた。
「石原さん、おはよ」
「おばよゔございまず」
「なんで鼻に手当てて上向いてんの」
「ざっじでぐだざい」
「いや、わかんないわ」
不思議そうに顔を覗き込んでくる今井くん。
ち、ちち近い近い近い!!顔が近いし、声も近いし、全部近い!!
「はなぢでそゔ~~~」
「大丈夫。ほら、ティッシュ」
そう言って、当たり前みたいに私の手のひらにティッシュを置く今井くん。
その仕草が自然すぎて、余計にドキドキが加速する。
「今井くん、なんで私の隣に座ったの?」
「……これはどう見てもここしかないでしょ」
確かに配置を冷静に考えればそうなる。涼太さんが運転席で、亜紀さんが助手席。その後ろに中村、その隣に佐倉くん、その隣に野村くん。そしてその後ろにのっち、その隣に私……その隣が今井くん。つまり私は、今井くんとのっちに挟まれている状態。


