「りょ、旅行!?」
「そうそう!ね?別にいいでしょ?今井くんも来るんだから」
「今井くんも!?」
その一言に、さっきまでの困惑が一瞬で吹き飛んだ。胸がドクンと音を立てる。自分でも分かるくらい、目が輝いたと思う。
「別に俺は――」
「行くよね?」
今井くんが何か言いかけた瞬間、中村がすかさず被せる。
「え、行か――」
「行くでしょ?」
今度は佐倉くん。
「い――」
「拒否権なし」
最後は野村くん。見事な連携プレーに、今井くんが完全に言葉を失っている。
「はぁー……しょうがな――」
「今井くんが行くなら行きます!」
今井くんが言い切るよりも早く、気づいたら手を思いっきり上げて、大きな声でそう言っていた。自分でもびっくりするくらい、迷いはなかった。
その瞬間、今井くんが目を見開いてこっちを見る。
「今井くん、楽しもうね!」
勢いのまま笑いかけると、「あ、う、うん」と、少し戸惑いながらも頷いてくれた。
さっきまでの不安も、迷いも、全部ひっくるめて――この時間を、もう少しだけ続けたいって思った。
今度こそ、ちゃんと向き合うために。逃げないで、ちゃんと自分の気持ちを伝えるために。
この連休の旅行は、きっとそのためのチャンスになる。


