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「ただいま、学校」
校門をくぐった瞬間、思わずそんな言葉が口からこぼれた。ついさっきまで旅行先にいたはずなのに、もう日常に引き戻されたみたいで、少しだけ現実感がない。
あれから――飛行機の中でも、バスの中でも、私はずっと爆睡していた。考えすぎて疲れていたのか、それとも現実から少しだけ逃げたかったのか。理由は自分でもよく分からない。
ただ一つ言えるのは、そのせいで今井くんとほとんど話せないまま、修学旅行が終わってしまったということ。
「由良ー!」
「由良ちゃーん!」
ざわざわとした人混みの中で、聞き慣れた声が響く。
その方向に目を向けると、中村とのっちが手を振っていた。なんだかその姿を見ただけで、少しだけ安心する。
「どうしたの?」
近づいた瞬間、二人は何も言わずに私の腕を掴んで、そのままぐいっと引っ張った。
「ちょいちょいちょい!!」
あまりにも突然で、状況が理解できないまま引きずられるように歩かされる。バランスを崩さないように荷物を持ち直して、必死についていくしかなかった。
昨日のうちに荷物は家に送ってあるから身軽ではあるけど、それでも急に引っ張られると普通に大変だ。



