「水族館行ったよ!」
できるだけ明るく答える。
「おお!!デートだね」
その言葉に、少しだけ胸がチクッとする。でも、間違ってはいない……のかな。
「それでね、今井くんがヤキモチしてくれて――」
勢いで、ついさっきのことを話してしまう。
「由良、あんた着実に距離縮めてんね!」
中村がニヤニヤしながら言う。その言葉に、少しだけ救われる気もした。
でも――
「頑張ってるよ……でもね、今井くん好きな人いるって」
「え、嘘だ~」
のっちがすぐに否定してくれる。その強い口調に、少しだけ顔を上げる。
……この声、前にいる今井くんに聞こえてたりしないかな。
「多分今井くんの好きな人って、由良あんただよ」
「………………え?」
思わず足が止まりそうになる。
「由良ちゃん。私もそう思う」
二人とも、迷いなくそう言う。
でも――私の頭の中に浮かぶのは、自分じゃない誰か。もっと可愛くて、もっと綺麗で、もっと似合う誰か。
そんなはず、ないよ。



