「綺麗ですね」
「キンギョハナダイは正式名称なんですけど、ここの方言ではアカビーって言うんです」
「へぇ〜……」
「あ、の……お兄さんはどちらから?」
「あぁ。修学旅行で関東の方から」
「わざわざ、遠いところからありがとうございます」
そう言って、飼育員のお姉さんは深々と頭を下げた。
「あの、頭あげてください。俺も、ここの水族館来て良かったです」
自然と笑みがこぼれていた。別に取り繕ったわけでもなく、素直にそう思ったから。
その瞬間――
「〜〜〜っ!!」
飼育員のお姉さんの顔が、みるみる赤くなっていく。
「も、もし良かったら――」
「今井くーん!」
その言葉を遮るように、遠くから響く声。聞き慣れた、少し騒がしい声。


