「今井くん、どうしたの?」
少し息を整えながら、石原さんが不思議そうに俺を見上げてくる。その視線に、さっきの言葉がまた頭をよぎる。
「いや……別に。気まぐれじゃない?」
自分でもおかしい言い方だと思う。自分の行動なのに疑問形ってなんだよ。
「今井くんは素直じゃないなー!」
石原さんは、チッチッチッと舌打ちみたいな音を立てながら、人差し指を左右に振ってくる。その仕草がいちいち癇に障るのに、なぜか嫌じゃないのが余計に腹立たしい。
「私と一緒にいたかった?」
核心を突くみたいに、さらっとそんなことを言ってくる。そんなわけない、なんて嘘はこの人には通じないって分かっている。
誤魔化せば誤魔化すほど、全部見透かされるだけだ。
だったら、もういいか。どうせなら、ちゃんとぶつけてやる。
「そうだよ。石原さんと一緒にいたくて」


