今の俺は、もう石原さんを好きであることを否定できない。拒絶していたはずなのに、いつの間にか心の大部分が石原さんに持っていかれている。
そうか……石原さんのことが好きなんだな。
そう思えば、今までの行動の理由がすべて腑に落ちる。
石原さんのことが好きだから、助けた。
石原さんのことが好きだから、手を握った。
石原さんのことが好きだから、心配した。
石原さんのことが好きだから、突き放さなかった。
すべての行動に一貫した理由がある――それは、俺が石原さんを想っていたからだ。
こんなにも自分の気持ちを支配されるとは思わなかった。
俺、随分石原さんに変えられたな……と、また笑いそうになる。
今は部屋にいるけど、無性に石原さんの顔が見たくなった。
理由は分からない。ただ、どうしても今、目の前に石原さんの笑顔を感じたくてたまらない。
これも……好きだからなのか?
鼓動が耳元で響くように感じる。俺の意識は完全に石原さんに向いてしまっていて、冷静でいようとしても心の奥底ではもう、理性よりも感情が勝っている。
部屋の空気が少し重くなった気がして、息を整えながら、自分の胸の奥に潜むこの感情の正体を、改めて認めざるを得なかった。


