*
「で?一応付き合えたは付き合えたけど、告白できなかったと?」
渉の顔を見ると、ちょっと悔しそうで、でも少し誇らしげにも見える。俺は眉をひそめながらも、内心クスッと笑いをこらえる。
「先に言われるとか男としてないわ、佐倉!」
部屋に戻って、俺と野村で渉を半ば茶化すように責め立てる。
「だってよ!俺が好きって言おうとしたら遮られてだぞ!?」
渉の話を聞けば聞くほど、状況が頭の中で鮮明に浮かんでくる。
告白をしようと決心した矢先に、中村さんに遮られ、先に言われてしまった――その瞬間の渉の心情を想像すると、可哀想ではあるが。
「……それ、惚気てんの?」
「いやー照れますね」
「ちょっと心配した俺が馬鹿だった」
本当に、さっき少しでも渉のことを心配した自分を叱ってやりたくなる。
「でも俺、明日ちゃんと好きって伝えるから」
「ん」
「流石佐倉。やるぅ」



