【大幅加筆】クール男子の取扱説明書




*



「で?一応付き合えたは付き合えたけど、告白できなかったと?」



渉の顔を見ると、ちょっと悔しそうで、でも少し誇らしげにも見える。俺は眉をひそめながらも、内心クスッと笑いをこらえる。



「先に言われるとか男としてないわ、佐倉!」



部屋に戻って、俺と野村で渉を半ば茶化すように責め立てる。



「だってよ!俺が好きって言おうとしたら遮られてだぞ!?」



渉の話を聞けば聞くほど、状況が頭の中で鮮明に浮かんでくる。

告白をしようと決心した矢先に、中村さんに遮られ、先に言われてしまった――その瞬間の渉の心情を想像すると、可哀想ではあるが。



「……それ、惚気てんの?」


「いやー照れますね」


「ちょっと心配した俺が馬鹿だった」



本当に、さっき少しでも渉のことを心配した自分を叱ってやりたくなる。



「でも俺、明日ちゃんと好きって伝えるから」


「ん」


「流石佐倉。やるぅ」