【大幅加筆】クール男子の取扱説明書




海も終わって、夜ご飯も済ませて、今はホテルの部屋の中。

窓の外ではほんのり夜風が揺れるカーテンを撫で、遠くから海の波の音がかすかに聞こえてくる。

今日、海で話したことは、ナンパしてきた爽やかお兄さんとの会話が途中で途切れてしまったこと。

なんだか頭の中でずっとリピートされていて、どこかモヤモヤする気分。

夜ご飯では、今井くんの周りには女子がたくさんいて、話しかける勇気もなく、結局自分だけ取り残されたような気持ちで席についていた。



「ねぇ、どう思う中村!」



思わずのびた泣き声のように叫びながら、中村に詰め寄る。緊張と焦りと少しの悔しさが入り混じって、声が自然と大きくなる。



「どうもこうも声でけぇんだよ!」



中村はそう言って、ベッド脇にあった枕で私の頭を軽く叩く。ボフッと柔らかい音が響き、少し痛みとともに笑いがこみ上げる。



「私は、振られてもアタックしまくる由良が凄いと思うけど」



中村の言葉に胸がじんわり温かくなる。



「中村が、私を認めてくれた!!」



喜びの余り、つい私も枕で中村を軽く叩く。