はぁ……と思わずため息をつく俺。
そして、俺は、自分が着ていたパーカーを石原さんにそっと渡した。
「えっ……えっ!!」
「着てな」
「そんな!もったいない!」
もったいないって何だよ、俺のパーカーなのに。
「今井くんのパーカーなんて、私……」
「嫌だった?」
「そんなわけないよ!寧ろ嬉しいよ!」
小動物みたいにわたわたする。
「海入らない時、それ着てていいから」
と指さすと、石原さんの顔がパァァッと輝き、今まで見た中で最高の笑顔を見せる。
「今井くんありがとう!私、今幸せだぁ!」
笑う石原さん。その笑顔を見て俺も自然に笑ってしまう。
「イケメンスマイル頂きました!」
「イケメンじゃないんだけど……」
…俺は海に入らなくても、このままずっと石原さんと話していたい。
そんなことを一瞬、ほんの一瞬だけ思ってしまった。



