教室の席なんて比べ物にならないくらいの距離で、今井くんの横顔と、閉じられた目と、ほんの少し長いまつ毛がはっきり見える。
こんなの反則でしょ……。こんな距離で、こんな無防備な顔見せられたら、心臓がもつわけないじゃん。
これ……あの時だ。今井くんが熱出した時以来だ。
あの時も近かったけど、今はまた違う意味でドキドキする。
私はそっと携帯を取り出して、カメラを起動して、そーっとピントを合わせる。
「……よし」
あとはシャッター押すだけ。そう思った瞬間、
「盗撮ですか」
低い声がすぐ横から聞こえて、思わず肩がビクッと跳ねる。
「なっ!!!盗撮じゃありません!今井くんの寝顔を撮ろうとしただけですー!」
慌てて言い返しながら、頬をぷくっと膨らませる。
「それを盗撮って言うんだよ石原さん。頭大丈夫?」
「今井くん、今日毒舌すぎる」
「そう?いつものことだけど」
そんなやり取りをしながらも、私はめげずに再びカメラを構える。だって、こんなチャンス二度とないかもしれないし。



