【大幅加筆】クール男子の取扱説明書





「由良、あんたが考えてることはないから」


「あれ?」



どうやら全部顔に出ていたらしい。

てへっなんて軽くごまかしてウィンクしてみたけど、中村にものすごく哀れな目で見られたことは見なかったことにしよう。



「それよりさ、もうちょっとで修学旅行じゃん?」


「ほんとだ!!!」



佐倉くんに言われて、はっとする。

そうだ、もうそんな時期なんだ。

修学旅行――つまり、今井くんとの……初めての旅行。

頭の中にその言葉が浮かんだ瞬間、にやけが止まらなくなる。



「ふふふふふ」


「きもい」



いつもならこのセリフは今井くんから飛んでくるのに、今日は中村からだ。しかも声のトーンが低い。

あ、中村ちょっと不機嫌だ。



「あーあ。俺もこのクラスが良かったな」


佐倉くんがぽつりと言う。


あ……そっか。クラスが違うから、班も違って、一緒に回ることができないんだ。普段以上に会う時間も減るかもしれない。

――じゃあ、中村はもっと辛いよね。


「な、中村……ごめ「修学旅行楽しみー!」



謝ろうとした言葉は、中村自身に遮られた。明るく言ってるけど、その裏に何があるかくらい、さすがに分かる。