【大幅加筆】クール男子の取扱説明書





別に深い意味はないはずなのに、聞いた瞬間に少しだけ自分で引っかかる。

石原さんが元気ない姿とか、正直想像つかないし、もしそんな状態になったら、それはそれで落ち着かなくなる気がする。



「心配無用!今井くん以外の人を好きになるとかはありえないし、今井くんを嫌いになることもありえない!」



本人が目の前にいるのに、よくここまで真っ直ぐ言えるなと思う。普通なら照れたり、少しは濁したりするだろ。なのに、こいつは一切迷いがない。

その言葉を真正面からぶつけられて、さすがに何も感じないわけじゃなくて。


照れて、多分真っ赤になってるであろう自分の顔を見られないように、頬杖の位置を変えてそっぽを向く。



「あれ?あれれれれ?今井くんが照れてる!?キャーー!!」



うるさいなほんと。



「そういう、無意識なのが一番嫌いなんだよ俺」



わざと少し強めに言うと、ガーンって音が聞こえてきそうなくらい分かりやすく落ち込む石原さん。

その反応がいちいち大げさで、でもどこか安心する自分がいるのがまた面倒くさい。



ねぇ、石原さん。

俺が、石原さんを好きになることはないと思うけど――これからもずっと、石原さんに好かれていたいと思うのは、なんでなんだろうね。