ったく、本人が来るんならあたしが買いに来なくても良かったじゃない。


『って何物色してんだよ!目当てはコーラだろ!?』


再び飲料コーナーを物色し始めた嵐ちゃんに声を張り上げて突っ込む。


「時人にも頼まれてんだよ。あと、イタチ二匹のも」


『はぁ?ジュニアとフーコは水だろ』


ジュース飲むフェレットとか聞いた事ないし。

ってか飲んだら駄目でしょ。


「お前じゃねぇんだからそんな事分かってるっつーの。水を選んでんだよ」


は?水?水道水じゃないの!?

どれだけ贅沢なのよ!



「ホラ、お前も選べ。妃奈ちゃんの分もな」


『えっ!?買ってくれんの!?』


「いらねぇんならいいけど」


『いるいるいる!嵐ちゃん太っ腹!!』


筋肉の塊を横からバシッと叩いて、口笛を吹きながらジュースを物色する。


「ったく相変わらず現金な奴だな」と隣から聞こえてきたけど知らん振り。


そんな事よりジュースジュース。


あたしはファ○〇タ梅味でしょー。妃奈はー……ミルクティかな。


それとー……。


「オイ、テメェ!さりげなくカゴに菓子入れてんじゃねぇよ!」


ありゃ。バレた。


嵐ちゃんがジュースを選んでいる間にお菓子コーナーへ移動したあたしは、ここぞとばかりに好きなお菓子をカゴへ投入。


直ぐにバレちゃったけど。


『よっ!嵐ちゃん太っ腹!』


後方から迫り来る嵐ちゃんにヘラッと笑って、ダッシュでレジへと逃げる。


分かってますよ~だ。自分の分ぐらい自分で買うもんね。