『それに、“その姿”はあたしの為にしてくれたんだよね?だから貴兄が謝る必要なんてない』


『……違う。“この姿”は自分の為だ。凛音から鳳皇を断つ為、アイツ等に凛音の居所を見つけ出させない為。全て、自分の為だ』


『貴兄……』


あたしの涙を親指で拭いながら小さく微笑む貴兄に、違うよ、と首を振る。


『それでも嬉しかったから。貴兄のお陰で……』



獅鷹と関係ある事がバレずに済んだのだから。



あたしは醜い。


本当は十夜達にも“全て”を話さなきゃいけなかったのに。

話した上で謝らなきゃいけなかったのに。



そう頭では分かっていても、心の奥では獅鷹の事がバレなくて良かったと思ってる。



あたしの心は、醜くてキタナイ。














『──凛音、話してくれるか?アイツ等と何があったのか』


『……うん』



──話すよ。全て。