「あれ、よももお前鍵…」

「えへ?」

 もちろん鍵はかかっていましたよ。どうやって開けたのかはやっぱり秘密です。

 部屋には既に神野くんと雷斗くんがいて、無事に来れたことにほっとします。

「よもちゃん追手の足引っかけたでしょ」

「あ、見てました?すごいですよね。スパーンってこけて!」

「…」

 神野くんと雷斗くんから呆れた視線をいただいてしまいました。

 うぅ、だってひっかけたくなるくらい隙だらけだったんですよ?
 まぁ、電車の中でも足をさりげなく踏んづけたりしてたんですけどね。

 と言うと怒られそうなのでそれ以上はやめました。

「お母さんたちも無事に会場入りしたみたいです」

「広西さんは?」

「大丈夫です。お父さんも到着したみたいですし、朔夜さんたちの方も振り切らないようにしながらも逃げ回ってくれているそうです」

 私たちがここに到着したなんて誰も思っていないはず。

 時間は13時50分。
 そろそろ行きますか。

「行きましょう。これで最後にします」

「あぁ」

「了解」

 神野くんと雷斗くんが立ち上がり、手を差し出してくれる。

 その手に掴まって、部屋を出て会場に向かう。

 若さんとお供さんという最強の護衛つきですよ。怖いものなしです!