地下鉄に乗り換える駅に着く。電車を降りて地下鉄の方向に歩き出すと、やっぱり追手さんもついてきます。

 あ、私にではなく、雷斗くんたちに。

 今は13時。十分間に合います。

 地下鉄のホームに行くと、ここでも人が多い。

 やっぱり1つ離れたドアのところに乗り込んだ雷斗くんたち。そして、私の近くには追手さんがいる。

「会場へ向かっている模様です」

 不意に聞こえた言葉。視線だけを向けると、こそこそと電話をする追手さん。

 うわぁ、ルール違反もいいところですね。

 でも、確実に確信していますね。遥人くんがあの少年であることに。

 後は雷斗くんが上手く逃げてくれるのを願うだけ。