「おい、こら待て!」

「え?よもちゃんの知り合いって情報屋なの!!?」

 晴野は情報屋になると少し…いや、大分冷たくなる。

 でも、それは晴野が人を寄せ付けないために作った殻だから。
 晴野自身は変わっても、弱さの象徴であるハルは冷たいままだ。

「うるさい。騒ぐならついてくんな」

「え、ごめんなさい…」

 それと、男言葉のようになる。

 声も低くなるから晴野と気づくのはほんとにフードを取らなければわからないと思う。

 大宮は少し表情を引きつらせて、黙ってハルの後に続く。

「…アキ、行く場所分かってるの?」

「え?あぁ」

「…外で見張りしとくか?」

 視線は前に向けたまま。でも、気遣ってくれたのが分かる。

 …今日は、甘えようと思う。

 正直施設長にどんな顔をして会えばいいか分からない。
 全部解決したら、そん時に胸張って、ハルと一緒に会いに行ってもいいかもしれない。

「わりぃ」

「別に。…おい、お前も外で待ってろ」

「お…おう」

 大宮は完全にビビってるな。

 でも、晴野緊張してるのか?いつもよりとげとげしい気がする…。

 すぐについたそこは何も変わっていなくて、中庭からから見えない位置で足を止める。

「…すぐに戻る」

 ハルはそれだけ言って、敷地の中に入って行った。