妬こうよ、そこはさ。

到着するや否や、うえーい、とよく分からない挨拶で出迎えた友人に訝しまれた。


「お前が俺の呼び出しに応じるとか奇跡なんだけど」


負けちゃったじゃんかよ、とぼやく友人に溜め息を吐く。


見せたいものというのは結局存在しなかった。呼び出すための嘘だったらしい。


……そんなことだと思った。


こいつにはそれはそれはベタ惚れな奥さんがいて、悪ノリした二人は俺で賭けをしていたらしい。


俺で遊んで昼食をどっちが作るか決めるなよ、全く。


「お前ら馬鹿なのか……」


何でのったんだ栞さん。勝ったんだから結果オーライかもしれないけど。


「童心を忘れないと言え」


ふざけたことを抜かす奴にもう一度これ見よがしに溜め息を吐くと、爆笑した友人は少し真面目な顔つきになった。


「大丈夫かよ。何か喧嘩でもしたのか」

「……いや。それはない。断じてない」

「ならいいけど」


俺が応じたのがよほど奇妙らしく、真剣に心配された。


お前は俺を何だと思ってるんだ。