妬こうよ、そこはさ。

「……ごめんなさい」

「…………」


やはり返答はそのまま沈黙に代わり、静寂が耳に痛く響く。


正解は互いに分からなかった。


黙り込む俺たちを遮って、俺のスマホが着信を告げた。


「ちょっとごめん」


一旦リビングを出る。


「うーす。元気にしてた?」

「元気だよ。久しぶり」


かけてきたのは悪友とでも言うべき奴だった。


茶目っ気があって、ふざけたことが大好きで、何かと俺を巻き込む。


それでも怒れないのは、こいつがなんだかんだ面倒見が良い奴だからだと思う。


「電話は珍しいな、どうした。急ぎの用?」

「急ぎ急ぎ。ちょっと出てこられないか。見せたいものがあるんだけど」

「分かった。行く」


軽い調子なのをみるに、本当に急ぎなのではないに違いない。


それでもまあいい、会いに行こうか、と思った。


ぱっと行ってぱっと帰って来よう。

あいつの無駄なまでの陽気さに当てられれば、きっともやもやする胸のうちの慰めくらいにはなるだろう。


このままずっと気まずいのは居心地が悪いし、何か帰りにお土産でも買ってきて話題を作るべきだ。