妬こうよ、そこはさ。

勢いよくなりそうなところを懸命に抑えて、できる限りゆっくり隣を振り向く。


もちろん表情を作った上で、だ。


「……好きなの? ああいうのが?」


不機嫌な自覚はあって、怖くならないように細心の注意を払って問うも。


「うん」


あっさりさも当然、みたいな雰囲気で返答されて落ち込んだ。


心中肩を落としつつ、無表情を保つ。


……そうなのか、俺と正反対なのが好みだったのか。


そうだよな、告白だって俺からだし、今まで全然好きとか言ってくれたことないもんな。


そっか。

そっか。

そうなの、か。


……でもごめん、俺は君がすごい好きなんだよ。


本を置くと、バン、と思いの外うるさく音が鳴った。


気にせず呟く。


今重要なのは、こっちだ。


「どこがいいの」

「え」


戸惑う彼女に有無を言わせず、再度質問。


「どこが、いいの」


ええと、と懸命に頭を働かせる彼女の返答をじりじりと待った。