妬こうよ、そこはさ。

もこもこのクッションを抱き締めている彼女が、リモコンを操作して戻ってきて、俺の隣にくっついて座った。


「…………」


布越しでも少し冷たい体温。

寄りかかられた肩にのる重さ。

僅かに香る、お気に入りの香水。


熱が奪われていく感覚に、目の前のテレビより彼女に意識が傾く。


少し横にずれたのに、またくっつかれて頭を抱えたくなった。


ソファーは余ってるんだけど。俺、端に座ってるんだけど。


別に、狭い訳じゃないし、嫌な訳じゃない。


でもさ、思うところはある。


何で俺の奥さんは平気な顔でそういうことするかな。


ああくそ無意識め、……俺は君に弱いんだ。


画面の向こうでは、今人気なイケメン若手俳優が、きらきらしい笑顔を振りまいていた。


おお、と目をすがめる彼女はやはり、俺のことなんか眼中にないらしい。


本当に頭を抱えてついでに溜め息でも吐いてしまおうか、と考えていると。


盛大に思考を遮るような爆弾発言が降ってきた。


「あの俳優さん、格好良いよね。結構好き」


……は?