妬こうよ、そこはさ。

飲み終わったばかりのカップはまだ余熱で暖かいらしく、両手で大事そうに抱えて熱を受け取っている。


そのうちカップが冷えてしまったのか、しばらくして立ちあがった彼女。


帰ってきたときは頬が真っ白で唇が紫だったものだから、慌てたし心配した。


握った手は冷え切ってかなり冷たいし、爪は紫だし、隠してたけど若干震えてたから、よっぽど寒かったんだろう。


でもまずは暖まるのが優先、と半ば強引に押し付けた紅茶が功を奏したのか、大分暖を取れたようだ。


顔色が良くなって、唇にも血の気が戻っている。


「テレビつけていい?」

「いいよ」


カップを洗って棚に戻した彼女が、暇つぶしにか、そんな提案をした。


ニュースを確認するくらいで、二人とも、普段テレビ番組にはあまり興味がない。


珍しいなと思いつつ、本にしおりを挟んで頷く。


読書している隣でテレビの音声が流れてしまうと、少し集中を欠く。


この読書は急ぎの用でもないんだし、じゃあ一緒に見よう、と結論付けた訳だった。