妬こうよ、そこはさ。

鼻を赤くして帰ってきた彼女が、沸騰させてすぐ注いだ熱湯のような紅茶を飲んでいる。


馬鹿、とひどい感想を述べて、俺は暖房の設定温度を上げた。


着替えてきた彼女は、今度はちゃんと部屋着を着ている。


もっこもこのワンピースの上にもっこもこのフリースを羽織って、もっこもこのタイツに毛糸の靴下を履いて、もっこもこのルームシューズまで完備する、という、俺からしたらものすごく暑そうな部屋着を。


……何でさっきはあんな格好だったんだろう。


寒かったんじゃんか。どう見ても寒かったんじゃんか。

何だってわざわざあんな薄着を着ていこうとしたのか。


……風邪でも引きたくなったのだろうか。


よく分からないけど、紅茶を飲み干してもまだ寒そうな彼女に、熱々の紅茶をもう一杯渡す。


物言いたげに見つめられたけど知るか。


いいから飲んで。とりあえず飲んで。


ずずいと押し付けて、彼女の隣に座って読みかけの本を開く。


全く。


見ているこっちまで、暑いんだか寒いんだか分からなくなってくるじゃんか。