妬こうよ、そこはさ。

「ありがとう」

「どういたしまして」


少し大きめの声にこちらも声を張る。


戻ってきた彼女を確認したら、何故か部屋着を着ていなかった。だというのに何故か着替えはしている。


すぐに出かける気なら、着替えなくて良かったんじゃないのか。


……女心というのはやはりよく分からない。


どうしたのだろうかと訝しんでいると、彼女は何かそろばんを弾くような目をした。


彼女の考えるときの癖だ。無言で考える間は無表情で、結論が出たら、少し瞳に意思が宿ったり、瞬きをしたりする。


……何か、考える必要があっただろうか。


次の予定でも決めているんだろうか。


ひどく不安になりながら平静を装う。


うん、と彼女が小さく頷いた。結論が出たらしい。


「ちょっと出かけてくる」

「っ」


思わず息を呑みそうになったのを、悟られないように必死に紛らわした。