妬こうよ、そこはさ。

強張る身体を励まして告げた本音は、嗄れて掠れて、聞き取りにくく歪んだ。


「ん?」


あまりの小ささに聞き返されて、尻込みする。


「…………何でもない」

「いや、気になる。何?」


わざわざこちらに歩み寄って、ひどく真面目な表情をするのは。

何を言いかけたのか、きっと問わずとも分かっているからだ。


心を決めて告げた本心をもう一度言うのは恥ずかしくて、やはり可愛くない装飾をしてしまう。


「あなたがいなくても平気だったりしなくもないって言ったの」

「へえ。分かりにくいよ、どっち?」


彼は何も咎めずに微笑んだ。


「……私はあなたがいなくても平気だと言った」

「そう」

「…………」


そんなことを思えるはずもない。


分かっているのか分かっていないのか、短く頷いた彼の指が、そっと私の髪を滑る。


「っ」


肩が跳ねたのなんて、きっとお見通しだろう。


少し冷たい指先の、緩やかに優しい感触が何度も私の髪を往復して。


じわり、上がる体温。


息を潜めて床を見つめたまま、じわりじわりと増す羞恥心と上がる体温を、無理矢理意識の外に追い出す。


骨張った指が髪をすく。


何度も。

何度も。


すいて、私の熱い頬に触れて、体温が混ざった。


髪から頬へ、少しずつ下りてきた、冷たさが減った指先。


彼のそれが、するりと頬を撫でるごとに私の熱を吸収していく。


泳いだ視線ごと伏せて表情を隠すも。


「なあ、赤いよ?」