妬こうよ、そこはさ。

彼の規則正しい足音がしだいに遠ざかっていくのを聞きながら、目を伏せる。


……もう、どうしたらいいんだろう。


どん、と、急に思い切り背中を押されたようなめまいがした。


「…………」


どんなに頑張っても、何をしてみても、彼は欲しい言葉をくれない。


妬いた、と。その一言が欲しいだけなのに、何故こうも上手くいかないのだろう。


妬かれるどころか、呆れられるし……。




そう落ち込む私は、論点を違えていることに気付いていなかった。


自分が初め、あの情熱が込もった瞳を見たいと願っていたことを忘れて、


今は欲張りになっていることに、気が付いていなかった。