妬こうよ、そこはさ。

別段欲しい訳でもないおやつなどを適当に買い、付箋やマグネットを買い物かごに入れてみたところで、そういえばシャンプーの詰め替えがなかった、などと色々思い出してきて買うものを増量。

無事、何とか格好を付けて帰宅することができた。


荷物の整理をしながら、代替案を考案する。


さっきの作戦の何が問題だったか省みれば、おそらく服装を見てもらえなかったことだ。

というか、それ以外にありえない。


いくら彼が冷静沈着な極度の朴念仁だと言えども、私と付き合って、プロポーズして、結婚するくらいの恋愛感情は持ち合わせているのだ。


一般的な嫉妬だって、それなりにする、と思いたい。


とにかくもう一度やってみて、服装を見てもらおう。そう、何としても目に入れる。


理由付けとしては買い物……は行ったからなし。食事に行く……のはお昼が食べたいからなし。


……まあいいか、出かけてくるって言えば。


作戦二、『出かけると言ってみる』を決行。


今度こそ見て欲しいので、またも気合いを入れて着替えをして、彼の前に立つ。


出かけてくるなんていかにも怪しげな台詞、精一杯のお洒落(露出度高い)、珍しく髪を巻いて結い上げている、と、これだけ重ねれば、疑問を持ってくれるだろう。


好きな奴と会うのか、なんて結論付けてくれるかは、分からないけど。