「陽くん?どうしたの?」


「……その3人って、信用できるのか」


「えっ?」



思いもよらない返答に、自分の目が丸くなるのがわかる。



…どういうこと?


だってあの3人は、ここのことをよく知ってて、私にもたくさん教えてくれて…。




「これ、放送で言ってたけど最近噂の『デッドカース』なんだろ?隣校の事件の」


「う、うん…」



私が来た時も、ラジオで女の子がそんなことを言っていた気がする。


それに、この校舎は隣校のものらしいし。



「なら、どう考えてもおかしいだろ。
なんで無関係の俺たちが巻き込まれてるんだよ?」


「………それは」



たしかに、言われてみれば…。



私に至ってはだって、転校してきたばっかりで、デッドカースのことにだって全然詳しくないし。


なんで私がここにいるんだろう?って考えると、何も理由は思いつかない。



「俺たちは黒田に着いて行った先で…ある教室に入ったんだ。そしたらいきなり意識がなくなって、気付いたらここにいた。
間違いなく黒田はデッドカースに関係してる。
そして…黒田は、隣校から来た」


「だから、同じく隣校から来た3人も怪しい…ってこと?」


「ああ、そうだ。
なあ舞、よく思い出してくれ。黒田とそいつらに何か関係があるとか、そんな感じはしなかったか?」



いつもおちゃらけた雰囲気のある陽くんの真剣な表情に圧倒されて、目をそらしながら考える。



陽くんって…こんな顔をする人だったっけ?


こんな暗くて怖い顔。



3人と黒田くんの関係なんて、そんなの…。



「……私。その3人をここに呼んできたの。…黒田くんに頼まれて」



それくらいしか、知らないよ。



それでも、陽くんは何か合点したように頷いた。



「………やっぱりだ。
そいつらも黒田とグルなんだろうな。近付かない方がいいぜ」


「…………」