「その加藤くんってさ
どこの大学なの?」
「工業大学」
「こっちに残るのか?
帰るのかな?」
「あいつは帰んないみたいだな
大手の建築会社のエンジニアに
就職するって夏頃だったかな?
決まったからって飯を
奢らされたからね」
「そっか・・・」
夏には決まってた・・・。
ついこの前に就職試験受けて
合格したってお祝いしたのに?
それは?嘘?
「何でそんなこと聞くわけ?」
「広島出身と聞いたから
向こうへ帰るのかな?とか
思っただけ
あっ!あたし健斗の番号の下の人に
電話をかけるんだった!
急ぎなのでごめんね」
「また間違ってかけてきてくれることを
期待して待ってるよ」
「・・・ハハハ」
笑ってごまかした。
数日後
啓次郎が会いに来た。
「久々だね」と言うあたしの言葉に
「バタバタ毎日忙しくてね」
と笑ってる。
毎日忙しいわけじゃなく
彼女がいるから
その合間に来るからだよね。
それに最近してない
一緒に寝ても 手を出してこない。
彼女で満たされてるから?
それならどうしてここへ来るの?
それは・・・あたしを
このまま放置したら悪いと思ってるから?
それならもういいよ。



