待ち合わせの場所に時間より早く行ったのに
神野くんはもう来ていた。


「ヨッ!」


「早いねぇ~」


「10分前行動が身に付いてるからね」


笑う神野くん。


あ・・・そうですか。


「あっ ピアスね」


と その場で自分の鞄をあけて探し始めた。


もう?ここでホントに渡すだけ?


「あれ?ここの内ポケットに
入れてたんだけどなぁ~
あれ?」


見当たらないようだ。


「お茶でもしようよ!
そこでゆっくり見つけて」


「お茶なんか飲んでる場合じゃなくて
無くしてたらどうしようか・・・」


「いいよ別に・・・」


「よくないよ!
無かったら新しいのを買って返すわ」


「いいって!元を正せばあたしが
落とすからイケないんだから」


「オレも無くするなんて無責任だろ?
そう言うの嫌いな性格だから
ちゃんと返す」


一生懸命に探したが
結局ないようだ見つからないようだ。


責任感の強さに驚いた
家に置き忘れてるかもしれないのに
すぐに買わなくたって・・・。


うん?もうあたしと会いたくないから
今日済ませようと?


そっか・・・
それなら う~んと高いものにしよう。


わざと落としたピアスは1000円
その倍以上の物。


ホントに無くした神野くんにも責任あるからね。