し・か・え・し



「啓次郎がこっちに帰るなんて
知らなかった」


「わざわざ言う必要もないかと
思ったから」


冷たい言葉。


「・・・そうだね
す・好きな人・・・と
うまくいってる?」


「いってない」


ダメになったのかな?
こっちに帰ったから?


うん?こっちへ帰ってきた理由は
好きな人が帰るからだと聞いたけど。


「向こうで就職するんじゃなかったの?」


「向こうでするとか
どこでするとか美里に言ってたっけ?」


「聞いてない・・・
ただ 健斗とかあやさんに
ちょっと聞いたから
こっちの会社を受け直したって」


「あ~ あれね!冗談!
みんな本気にしてたんだぁ
帰る理由がそれって
カッコいいじゃん!
スゲーなオレ!俳優になれそう」


嘘だったのか。


「あ・・・この前ね
水本建設の前を通ったら
啓次郎・・・が居たんだ」


「そう・・・」


「可愛い彼女だね」


「そう?可愛かった?
そりゃー喜ぶわ」


ほんとに彼女なんだ・・・。


「あたしがここに居たらまずいね
ごめん!ホント健斗が余計なことして
ここにあたしを放置してごめん」


「健斗がなんで
ここへお前を連れてきたんだ?」


「え・・・それは・・・
健斗何か言ってた?」


「悪いけどこいつ預かってくれって」


「それだけ?」


「それ以外に何かある?」


「いや・・・」


あたしがまだ好きだと言ったから
連れてきたんだよね
あたし酔っぱらって余計なことまで
健斗に言ったのかな?


後で健斗に聞いてみよう。