あたしたちいつも時間より前に
別のところで集合して
揃ったらみんなで会場に
行くことに決めている。


「ちょっとぉ~!
なんだかんだと言って
美里が一番気合い入ってんじゃん」


言われると思った・・・
ただ髪を巻いて
いつもより丁寧に化粧を
してるだけなのに。


「やっぱ違うねぇ~
夜の女をしてた人は!」


「こら!夜の女とか言わないで!」


「でもさぁ~美里は変わったよね
入学して出会った頃と全然違うもん」


「美里は人生色々あったからね」


桃華がそれを言ったあと
『あっ!』と口を押さえたが
既に遅し・・・。


「人生いろいろ?」


みんなが食いついた。


「もうすぐお別れだから
もういいか!実はバーでアルバイトを
始めたのはね」


借金を背負った経緯を
始めて 桃華を除いて
奈央や雪子やさおりに話した。


「えー!マジ?
だからバーでバイトしてたの?」


「早く教えてよ~
協力出来たかもしれないのに」


とか・・・言ってくれた。


「でもいい勉強にもなったよ
お店で色んな男の人見てきたし」


「だから?美里は男に興味がないの?」


「違うよぉ
これ言ったら笑うかもしれないけど
恋愛するのが怖いと言うかね
一種のトラウマ それにね
中学時代にね」


と当時のあたしの姿の写メを見せて
好きな人に貶されて振られたことも
話をした。


始めは中学生のあたしと
今のあたしのギャップにみんな
驚いていた。


だよね・・・驚くよね。


あたしの告白に
そんなの次の恋で克服しなきゃ!
今夜がチャンスよ!とか・・・。


「いいんだってぇ~
あたしは地元に帰って
いっぱい恋してそこで
克服するつもりだから」


と ごまかした。