たとえば呼吸するみたいに





距離も、関係も、互いの想いも。

みんな嬉しいのに悲しくて。



どうしたらいいか、バカなあたしにはわかんない。

わかんないことばっかなんだよ。



それでも、そんなあたしにもひとつだけわかることがある。



「玲とあたしの気持ちは違うから」



ちらりと彼女を見上げて、困ったように笑う。

あはは、と声を出しても……だめだ、わざとらしくなって、震えちゃう。



「きっとうまくいくわよ?」



ふわり、と優しく悠里が頭を撫でてくれる。



いつもは厳しいツッコミを入れたりする悠里だけど、こんな時はとびきり優しい。

それはお母さんのお腹の中にいるように安心できる、無償の愛のよう。



でも、やだなぁ。

こんな風に気をつかわせちゃうあたし、やだよ。



「うん、ありがとね」



こんな風に言ってくれても、その言葉を信じることなんてできないけど。

それでも悠里の気持ちはやっぱり嬉しいな。



だから、たとえあたしと玲の気持ちは、想いの形は違っていても。

それをどうにか同じものにしたいと思うんだ。



あたしはどうしても、願ってしまうんだ。