わからない所があれば電話していいって言われたけれど……。


電話、待っててくれたんだ?



「神城君、おはよう!」


「おはよう」



後から女の子が来て、神城君の名を呼んだ時の変わり様。


パッと仮面をつけたかのように、彼の表情が変わった。


ある意味すごいんだけど……。



「何ボーっとしてるの?教室行くよ、桜葉さん」


「……え?」



後から来た女の子はまだ上靴にはきかえていない。


その子と行くとばかり思っていたから、再び声をかけられた時、びっくりした。



「ほら、行くよ」



動かない私の腕をつかんだ神城君。


ドキッ……。


なぜか胸が反応して、顔が熱くなっていくのを感じた。