Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

「バーカ。もう、俺じゃねぇよ…」

「…そんなことありません!」


由羅は、春日の手をギュッと握りしめる。

その手を、春日が握り返す。


「次に里一番の忍になるのは、由羅…お前だ」

「私なんて、まだっ…!」

「だから、由羅。あとのことは、お前に任せたぞ…」


春日の声が徐々に小さくなっていき、由羅の手から春日の手が滑り落ちた。


そうして春日は、眠るようにゆっくりと目を閉じた。