Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

由羅はそう言って、腰を上げた。


「…椿ちゃん、もう帰るのっ?もっとゆっくりしていけばいいのに…」

「いえ。私は、竜之助さんから頼み事をされただけですから…」

「そう…残念ね。そういえば、またこの町にお店を出しにきてくれるの?」


その竜之助の母親の言葉に、由羅はピタリと足を止めた。


「市、あのお店がすごく好きだったから…」


そう呟く、竜之助の母親。