Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

そこにあるのは、1軒の古びた家…。


ちょうど家の中から、人が出てきた。

その人は、馬から下りる由羅の姿を見て駆け寄る。


「…椿ちゃん!」


それは、竜之助の母親だった。


“椿”と呼ばれるのは、久々だった。

もちろん由羅の正体を知らないため、竜之助の母親は、由羅の名前を“椿”だと思い込んでいる。


「最近見かけないから、心配してたのっ…!それにどうしたの?この荷車…」