Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

そして、自分の馬を幸秀の馬に寄せたかと思うと、義秀は幸秀に小声で話しかけた。


「あんなもの、でまかせに決まっておろう。だれが、捨て駒のためなんかに金をやるものか」

「ハハッ、そうですよね」


それを聞いて、幸秀も鼻で笑う。


周りにいる兵たちには聞こえないくらいの小さな声…。


微笑む2人を見る限りでは、出陣前に気を和ませようとなにか笑い話でもしているのだろうと、兵たちを思うかもしれないが…。