Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

町人たちの話を耳にして、由羅はギリッと唇を噛んだ。


颯…。

竜之助…。


…一体、どれほどのものを奪えば気が済むのか。

さらに、里をも滅ぼすつもりかっ…。


由羅は一度足を止め、竜之助から預かった文に目をやる。


本当は、これを竜之助の家族に届けるつもりだった。

…が、状況が変わってしまった。


「すまぬ、竜之助。文は、必ずあとで届けるっ…」