「それは、わかってはいるが…」

「美影だって、同じ歳の中では一番優秀な忍だ。俺は、陽蔵様の判断は間違ってねぇと思うけどなー」


由羅は、颯の話に耳を傾けながらも、深刻な顔をして俯く。


「ただ、…あの子は優しすぎる」


風がそっと、由羅の髪を撫でる。


「虫さえも殺すことができないのだぞ?…そんな美影が、果たして敵兵と刀を交えることができるだろうか」