Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

竜之助は最後の力を振り絞るように、由羅に手を広げる。


由羅もそれを受け止めるかのように、竜之助を抱き締めた。



「…由羅、好きだ」


ふと、耳元で消え入るように囁かれた言葉…。


その一言を残して、竜之助は静かに息を引き取った。



辺りは静まり返る。


まるで、悲しみを共有するかのように、風に吹かれた木々たちが騒めく。


由羅は、竜之助の体を強く強く抱き締めていた。