Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

握り締められていたのは、一通の文だった。


「お袋…心配性だからよ。俺がいなくなっても、市と2人でやっていけるように…」

「そんなもの…受け取れないっ。自分で渡せっ…」

「…それじゃあ、意味がないんだよ。頼むよ…由羅」


竜之助は震える手で、文を由羅の胸元に押し付ける。


徐々に意識が薄れていく竜之助を目の前にして、こんな形で頼み事なんて引き受けたくなかった。