Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

「…決まってるだろ。家族のためだよ」


竜之助は、穏やかに微笑んだ。


その表情は実に清々しく、後悔なんて一切感じられなかった。


「俺ん家、貧乏だからよ…。…これで、お袋と市は金に困らずに暮らしていける」

「…待てっ。お前は死なせない…!!」


由羅は着物の袖をちぎると、それを竜之助の傷口にあてた。


「…無駄だって。由羅が急所を外すわけないだろ…」