Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

それは、確実に幸秀を貫いたことを意味していた。



「…やった。やったぞ…颯っ」


由羅は、両手にベッタリとついた血を握り締める。


そのとき…。


「……由羅」


そんな声が微かに聞こえた。


ハッとして我に返るが、周りを見渡してもだれもいない。


いるのは、…幸秀だけ。


嫌な汗が頬を伝ったとき、由羅はようやく視界が開けてきた。


さっきまで、真っ暗にしか見えなかった部屋。