「私はっ…」

「由羅、なにも心配することはない。今夜の任務は、盗みだ。兵と刀を交えることもない」

「…しかし」

「そのために、お前と行動を共にさせる。お前がついていれば、美影に危険が及ぶこともない」


陽蔵には、由羅に対する確かな信頼があった。

依頼未経験の美影がいたとしても、由羅なら完璧に依頼をこなすであろうと。



「小柄ながらも、美影はもう立派な忍だ。一度は、依頼を経験させてやらんとな」