幻宝山の獣…。

その正体とは……。



「いや〜。今日は、いつにも増して大漁だなっ」

「そうだね、父ちゃん!」

「それじゃあ、戻るか」

「うん!」


勢いよく跳ねる大漁の魚の入った網を肩に担ぎ、川をあとにする親子。


見たところ、一見普通の親子のように見える。


しかし彼らは、断崖絶壁を手も使わずに脚力だけで登り、十数メートルはあるであろう谷を弧を描くように飛び越える。